フランスチーズの歴史
チーズの歴史において、フランスは西ヨーロッパの中でイタリアの次に古い歴史を持っています。
フランスでチーズは、古代ローマ軍が今のスイス、ベルギー、フランスにあたるガリアを征服したことに始まりました。
征服した地域にはローマ文化を広めようと勢力を注いだためチーズを作る文化が伝授されたといわれています。
これが世界一に君臨するチーズ大国の始まりというわけです。
紀元前735年に建てられた古代ローマ。
ギリシャを植民地としてギリシャ人が持っていたチーズの製法技術を取り入れてきたのです。
そのようなチーズがローマ軍の食料となっていたという記録が残されています。
ローマ軍がヨーロッパ各地に侵攻していくに伴いチーズの製法技術も伝えていったためヨーロッパ全土にチーズが広まっていきました。
フランスの中でも最古のチーズはロックフォール、ブリー、カンタルだと言われています。
ロックフォールとは、アオカビによって熟成させるチーズです。
羊飼いが置き忘れてしまったチーズにアオカビが生えて出来たと言われますがその真意はわかっていません。
原料乳が羊乳であるロックフォールですが、アオカビが乳脂肪を分解することで生まれる脂肪酸の風味が羊乳の臭さを無くし、たいへん風味の良いチーズです。
日本では、世界三大ブルーチーズの一つとして有名です。
身体に毒素の無いカビではありますが、ロックフォールを食べると最後に溶けないアオカビが残って舌触りがざらつくというところがただ一つの問題点かもしれませんね。
1000年以上前からフランスのブリー地方で作られていいるブリーチーズは、白カビのチーズです。
濃厚でも癖のないブリーチーズは今や世界中に愛されているチーズとなっています。
カンタルは、イギリスのチェダーチーズの元になっていると言われています。
そもそもの原産はフランス中南部にあるオーヴェルニュ地方となっています。
熟成に伴い灰色から黄色へ黄色からオレンジ色へ、最終的に赤い斑点も現れるというたいへん面白いチーズです。
カンタルの風味は多少複雑で、ミルクとナッツの風味がします。
熟成の進んだカンタルは口の中で発泡するような食感が得られることが特徴です。
ロックフォールは774年にブリーは800年に、その当時の皇帝が食したという文献が残っています。
この頃になると修道士がチーズの製法技術を伝えていたといわれています。
これらのチーズにロマンを感じてしまうのは、古代ローマの博物学者であるプリニウスが「博物誌第11章」でロックフォールとカンタルについてを記し、絶賛しているということです。
美味しいチーズが生まれたのも、フランスならではの山岳地帯や平野という地形や風土があってこそといえるでしょう。
また、フランスのチーズには町や村の名前がつくものが多くあります。
ひとつの村にひとつのチーズがあるといわれるくらいなのです。
フランス最古のチーズとして先に説明したロックフォールも南フランスはモンペリエの北80kmに入った小さな村の名前です。
ということはどれくらいの種類のチーズがあるということになるのでしょう。
ぜひともチーズを巡るヨーロッパの旅に行ってみたくなりますね。
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